だいたい日刊コミタン! 2013/02/28号

今日の気になるタイトル
2月28日
『SILENCER』(1)(ながてゆか/小学館/スペリオール)
・『ブラックラグーン』の代わりとはいかないまでも、カッコいい女刑事が出てくるクライムアクション。タイトルの通りに愛用の銃は消音だけど、その必殺仕事人的側面が王道っぽくてたまらない。表紙に大きく銃が描かれているわけでなく、刑事要素も薄いので、帯次第だがその手の作品を好む層へのアピールは必要かも。同一著者の『蝶獣戯譚』との併売は必須だが、あまり動いていない店舗は単体での展開でもいいだろう。

『花と奥たん』(2)(高橋しん/小学館/月刊!スピリッツ)
・約4年振りの続巻。もちろん1巻と並売はマスト。グルメまんがコーナーでも、夫婦マンガコーナーでも良さそう。『雪とツバサ』併せはいただけない。

『カラメルキッチュ遊撃隊』(2)(大石まさる/少年画報社/ヤングキングアワーズ)
・世界の謎がわかりつつあり、話に奥行きが出てきた。大石先生の描く女の子は健康的で好きだが、今回はシリアスな部分もあり2倍楽しめる。
・世界の謎がわかってしまって全3巻で終わりそうな気配が・・・。謎が明かされなくてもとにかく世界はそういうふうになっているという前提があってもキャラクターで読ませるのが上手かったのだと思う。

『裸者と裸者 邪悪な許しがたい異端の』(1)(七竈アンノ・打海文三/少年画報社/ヤングキングアワーズ)
・前作『裸者と裸者 児部隊の世界永久戦争』の後編だが、前編とは別の主人公を立てる内容。前作は男目線で、今作は女目線で内戦をたくましく生き抜く姿を描く。女の子のキャラが結構ポップなので、表紙の雰囲気がどうなるか期待。
・エスっ気のある女の子描きたいマンガ家No.1だと思うので女の子を押し出した表紙だと新規層にアピールがありそう。1巻にリナンバリングしてくれたのもあるし、こっちの層で当たるんじゃないかな。

『BUGS LAND』(1)(藤原芳秀/小学館/モバMAN)
・直近では砂塵航路が刊行されていた『JESUS』コンビの新作。「ヤンサン」で刊行されていた『BUGS 捕食者たちの夏』のコンビでもあるので、何かしらのリンクはあるのかしら?立ち上がりはゆっくりと、棚で置いて回転するタイプの作品だが、絵柄から若い層にはあまり好まれず、作者や世界観のファンが支持するタイプの作品なので、同コンビ、原作者の作品がイマイチという店舗は売り伸ばしに苦戦しそう。モバMAN発のアクション作品ということで、動き方はまだまだ未知数。

『マホロミ』(2)(冬目景/小学館/ビッグコミックスピリッツ)
・有名な作家だが知らなくても建築や調度品のうんちくなど勉強になり楽しめる。建物や調度品の書き込みや少し前の時代の建築を追うところなど、存外『ちろり』(小山愛子/小学館/ゲッサン)などと相性が良さそう。

『まかないくん』(西川魯介/白泉社/ヤングアニマル)
・『くーねるまるた』が売れているって?男が読むべきはこっちだろ!簡単な一工夫でできる料理とカワイイ女の子、男子が読むグルメマンガはこういうので良いんだ。

だいたい日刊コミタン! 2013/02/27号

今日の気になるタイトル
2月27日
『手塚治虫からのメッセージ 核と未来』(手塚治虫/竹書房)
・手塚治虫の(多分)エッセイ。手塚作品のエッセイは読んだことが無い人が多いと思うので、この機会にぜひ。
・講談社の全集でもエッセイがあったことを思い出した。コミック棚より社会とかのほうが動くかな?

『√3=(ひとなみにおごれやおなご)』(1)(みなぎ得一/ホビージャパン/コミックダンガン)
・ほぼ同日発売の『足洗邸の住人たち。』が13巻で完結。世界設定は同じで足洗に登場する万魔殿学園での学園生活を描くもの。みなぎファンは買うだろうがそれ以外の人にいかにアピールするかが問題。

『雀術師シルルと微差ゴースト』(1)(片山まさゆき/竹書房/近代麻雀)
・たまに出てくるオカルト、いやスピリチュアル系片チン。不沈艦『ムダヅモ無き改革』もそろそろ…という状況で「近代麻雀」の看板が押川雲太朗というのも同誌のらしさかもしれません。あと『鉄鳴きの麒麟児』。

『焔の眼』(3)(押切蓮介/双葉社/漫画アクション)
・『ハイスコアガール』もいいけど、こっちも押切蓮介の狂気がにじみ出ていて良い。
・『ミスミソウ』復刊が双葉社からとは予想外。今作の今売り「アクション」での暴行シーンには少し『ミスミソウ』を思い出した。

だいたい日刊コミタン! 2013/02/26号

今日の気になるタイトル
2月26日
『ナツメキッ!!』(7)(七島佳那/小学館/Sho-Comi)
・平積みでガシガシ売れているわけではないが小中学生くらいの層に棚で動いている。
次世代のマンガ読みを育てる意味でも上記の層を意識した棚作りもしていきたい。

『恋におちたら』(藤緒あい/小学館/Cheese!)
・12月に初単行本が発売した藤緒あいがまさかの速度で2冊目を刊行。これは本誌で相当推してるんじゃねーかと!アラサーこじらせ系の派生種というか、初恋もまだの見栄っ張り女子大生とおじさんの恋愛譚。この作者は、大人と子どもの精神性の描きわけがとても上手いので、年の差ものは大歓迎。ややαよりな内容同様に、購買層は高めに設定したいところ。

だいたい日刊コミタン! 2013/02/25号

今日の気になるタイトル
2月25日
『俺物語!!』(3)(アルコ・河原和音/集英社/別冊マーガレット)
・色々と受賞して帯が喧しいがこれで書店員に対するアピール度も十分だろう。あまり押し出しはせずしかし確実に売ろう。少し探してもらえるぐらいがいいので、「入荷しました」という看板掲示はしっかりやりたい。

『恋する女の子はいつも』(四元シマコ/集英社/別マTWO)
・別マTWO掲載作品のみでは一冊にならないハズ。ビアンカからのも掲載?な短編集。男の子ではなく男として異性を意識しはじめた女子たちの恋が成就するまでの作品が多い。恋愛というファンタジーに向き合う女子たちのリアルをうまく描いているが、内容的にはそれでもまだファンタジー寄り。女の子はお砂糖とかわいいものと恋でできているみたいなテンション。内容で判断するならば別マ銘柄の中では対象年齢は低めに設定するべきか。

『茜君のココロ』(湯木のじん/集英社/別マTWO)、『恋する女の子はいつも』(四元シマコ/集英社/別マTWO)
・別マの新人がしっかり育ってきている気配。ただ実際の売り上げにつながるのがランキング入りするか、賞などを取ってからの場合が多い。売り場でいかに注目の新人としてアピールしていくかが課題。
・しかし「別マ」の層は厚い。「別マ」一誌から「別マSster」と「bianca」/「別マTWO」が出てさらに「ザ・マーガレット」にも新人を派遣。本誌掲載ともなるとしっかり磨かれていてどれも読み応えがある。『君に届け』しかり看板作品の存在が勢いとゆとりに繋がるのか?取り上げたこの2タイトルは「別マTWO」から。女の子同士の絡みやサポートはやや少なく、男の子が気になり始めて付き合・・・いやその手前まで・・・いやでも最後には・・・みたいな距離感。『俺物語!!』の売れ行きとはおそらくまるきり無関係でしょう。

『どーにゃつ』(2)(コザキユースケ/スクウェア・エニックス/ヤングガンガン)
・1巻の配本が渋かった印象。2巻はどうなるか。SFでのフックは弱そうなので『しろくまカフェ』『きのこいぬ』『ぢべたぐらし』あたりとの並売が良さそう。