だいたい日刊コミタン!2013/02/08号

今日の気になるタイトル
2月8日
『いきいきごんぼ』(1)(陸井栄史/秋田書店/週刊少年チャンピオン)
・この作品が巻頭カラーを取るようなことがあるから、チャンピオンはあなどれない。チャンピオンパロディが多いが、それを除いても十分に楽しめる勢いがある。客層は間違いなく男性、それもバカバカしいコメディを好む層。試し読みとかあるならば間違いなく一緒に置くべき。どの話が載るかで差異はあるだろうが、試し読みの有無で売上に天地ほどの差がでるだろう。

・ネタが分かるほど作品が面白くなる。かつてジャンプで連載されていた『無敵鉄姫スピンちゃん』(大亜門/集英社)のような笑い。知識収集欲求の高い中高生や、ネタを既知の大人にも刺さるのでは?

『誘爆発作』(3)(岡村星/講談社/ネメシス)
・待ちに待った新刊。不幸な終了も多いネメシス勢で、しっかりと刊行してくれることが本当にありがたい。今回もやはり帯に一工夫あるようで、手にとってもらってナンボの感がある。既刊の併売は必須であり、読んでもらえれば間違いなく魅力が伝わる作品。

・連載誌はほぼ季刊。だが三ヶ月を超えて持続する緊張感がある。いわんや単行本をや。本誌では苦渋の打ち切りラッシュもあったが、今月22日に同誌から『ベアゲルター』(1)(沙村広明)がついに単行本化。22日までに『誘爆発作』の既刊在庫をしっかりキープして『ベアゲルター』に添えてドル箱に育てあげたい。

『パリパリ伝説』(7)(かわかみじゅんこ/祥伝社/フィールヤング)
・アラサー女性向け棚で同作者の『日曜日はマルシェでボンボン』が動いたのでこっちもどうかなー。
相性が良さそうなタイトルはヤマザキマリの『それではさっそくBuanopettito!』や『イタリア家族』シリーズなど。それぞれ実績もあるので7巻からでも多分いけるんじゃないかなー。よりライト層に寄せれば『ダーリンは外国人』か?

『トラップホール』(1)(ねむようこ/祥伝社/フィールヤング)
・昨年はアラサー女子が主人公のマンガが目立ったが、今年もその波は間違いなくありそう。恋愛なんか無縁だった純情系?女子が主体だった昨年のブームとは反対に、ある程度の経験を積んだ女性の破滅からスタートする価値観や生き方の再構成が目立ちそう。『いつかティファニーで朝食を』(マキヒロチ/新潮社/@バンチ)などが併売銘柄か。判型の違いがなかなか展開しづらいところ。

・『午前三時の無法地帯』(同上)がオダジョー・本田翼でドラマ化というニュースもあり既刊共々動きをみせそう。内容はフィーヤンド真ん中な感じなので大きく外れることはないだろう。著者が元デザイナーということもあり装丁にも期待!

・待望の「フィールヤング」ねむようこ。『午前三時の危険地帯』は職場の話だったがこちらは下北沢っぽい雰囲気のなかで生き方に迷う。(「フィールヤング」の主人公はいつも迷っている)
「フィールヤング」の新刊台は今だと『あなたのことはそれほど』(いくえみ綾)、『Hatch』(村上かつら)、『トラップホール』(ねむようこ)で売っていくのかなー。購入層は被らせられるはず。いずれ鳥飼茜『おんなのいえ』(講談社/BE-LOVE)も加わることでしょう。A5棚だけで収めてしまうのはもったいない。同作者の『とりあえず世界が滅びる前に』(小学館/flowers)とは違う層を意識して売りたいところ。作家ファンはきちんと抑えたいが・・・ねむようこファンの本流はフィーヤンのほうだと思う。