だいたい日刊コミタン! 2013/06/20号

今日の気になるタイトル
06月20日
『みすけん!』(さかたき新/白泉社/花とゆめ)
・推理小説研究会という既存の作品をもとに作品が展開していくので、コミックス以外のものと併売できるようなタイトル。『バーナード嬢曰く』(施川ユウキ/一迅社)が動いており、作中に登場する名作との併売をしている店舗もあるようで、同様のフェアをやるのもいいだろう。

『パレス・メイヂ』(1)(久世番子/白泉社/別冊花とゆめ)
・本誌では連載が一段落したものの、終了を惜しむ声が多くアンコール連載という恵まれた経緯でのナンバリング。雑誌内での人気と単行本人気がどれほど相関した客層であるかはぜひここで測ろう。内容は過去の『Imp!』や『少年 愛の世界』と似た男の子カワイイ系。主人公は男性版内侍なのだが、女帝に対するお慕い申し上げます要素が可愛さを引き立てる。

『嘘解きレトリック』(都戸利津/白泉社/別冊花とゆめ)
・コミックスの装丁変えの効果が全面に出ている感じ。いままでのHCレーベルではあまりなかった黒がメインのデザインが面白い。昭和を舞台に特殊能力を持つ少女と探偵が事件に遭遇するといったものだが、一話完結で、作者の構成の巧みさが目立つ。男性を中心に売りたい。

『ツヅキくんと犬部のこと』(上)(下)(衿沢世衣子・片野ゆか/秋田書店/エレガンスイヴ)
・連載開始から結構経ってからの刊行。週刊少年サンデーの作品とのあれやこれやが在ったのだろうか?原作はどちらも同じものから引いているので内容は一緒だが、描かれ方は大分違う。朴訥な絵柄が心に沁みます。

だいたい日刊コミタン! 2013/06/19号

今日の気になるタイトル
06月19日
『センチメンタルダスト』(河合朗/一迅社/百合姫)
・百合姫の大賞出身作家、新作がちょっとアホっぽいと話題になったこともあり、ネットでの百合層においての認知は比較的高い。ただ、有名になった作品との作風の乖離があるので、どこまで動くかは未知数。デビューが正統派で、話題作がコメディ寄りというのはなんだか倉田嘘を彷彿とさせる。百合姫の時代を担えるか…。

『口福三昧』(1)(ラズウェル細木/講談社/おとなの週末)
・マンガ部分で期待をしていたが、割合コラムも多いようで実業之日本社『突撃!はしご呑み』の二の舞になる予感も。マンガの棚ではマンガであることが求められているのよねん。

『f人魚』(1)(G3井田/集英社/となりのヤングジャンプ)
・人間のことを同人誌で学んだ人魚が陸に上がり、♂×♂を視姦。こういう勘違い系ギャグも嫌いではなく、ヤングジャンプだが女子向けに売って行きたい。併売は『腐女子語事典』(かつくら編集部/新紀元社)が望ましい。

『巫鎖呱』(1)(柴田ヨクサル/集英社/ミラクルジャンプ)
・本誌では熱い打ち切り(?)。『ハチワンダイバー』と同時でもあまり期待はできない。

『イノサン』(1)(坂本眞一/集英社/ヤングジャンプ)
・前作『孤高の人』同様、どうしても内面的なことを絵にしたがっている感じが良い、ようなキツいような。「ヤングジャンプ」ストライクの読者よりはマンガ好き向けか。

だいたい日刊コミタン! 2013/06/17号

今日の気になるタイトル
06月17日
『七つの大罪』(3)(鈴木央/講談社/週刊少年マガジン)
・版元の鼻息も荒くアニメ化まではいきそうである。書店での種まきもまだまだ。

『マチキネマ』(2)(サメマチオ/宙出版/NEXT)
・サメマチオ短編集の第2集。テーマが無いためのびのびと描かれた短編が多く、読み手もその日のコンディションで好きな作品が分かれそう。手元において何度も読み直したい。
・まさか2巻が発売されるとは思っていなかった。個人的には著者の体験を描いたようなエッセイテイストの作品がとても好み。
6月という時期的に芳文社刊の『きみの家族』を売っているところなので、新刊によるはずみはありがたいところ。

『ACMA:GAME』(1)(恵広史・メーブ/講談社/週刊少年マガジン)
・割りと王道なストーリーだが面白いと思わせるのは絵師の実力によるところだろう。別マガ新連載、徳川神千『D.D.D.』と同様に、奇抜なアイデアだけに頼らない地に足の着いた実力のある新作を新人さんには期待したい。

『ぼくらの17-ON!』(1)(アキヤマ香/双葉社/Jour)
・『僕のおとうさん』(集英社/マーガレット)で好評を得ている著者の新作。俳句甲子園という和モノ部活系。応援店も募集していてツイッターなどの話題には上がりそう。
・今年一番の装丁。