週刊コミタン! 2017/06/18号

来週の気になるタイトル
[weekly class=month day=1]月[weekly class=day day=1]日
[addLink]『麻雀放浪記』(1)(嶺岸信明・阿佐田哲也/双葉社/週刊大衆)[/addLink]
・(m)麻雀劇画といえば嶺岸信明、そして間違いのない原作。楽しみな一冊。原作が1970年頃なので売り先はだいぶ年長になるか。

[addLink]『PoP Life』(1)(南Q太/集英社/ふんわりジャンプ)[/addLink]
・(m)女◯◯人ルームシェアものが数多くある中から一歩進んでシングルマザー家族どうしでのルームシェアへ。読者の興味を惹ける題材だと思うので面で。『あなたのことはそれほど』とか『1122』とゾーンを。
・(m)表1で設定をほぼ説明できていないのはマイナスかなぁ。

『息子がかわいくて仕方がない魔族の母親』(2)(十五夜/集英 社/となりのヤングジャンプ)
・(く)ずっと切れてた1巻が6/23にやっと重版するので伸ばしたい。

[addLink]『はなまる魔法教室』(1)(井上知之/小学館/裏サンデー)[/addLink]
・(く)表紙のとよ田みのる感がすごい

[weekly class=month day=2]月[weekly class=day day=2]日
[addLink]『食糧人類』(3)(蔵石ユウ・イナベカズ・水谷健吾/講談社/eヤングマガジン)[/addLink]
・(m)累計80万って紙だけ?

[addLink]『ちいさな猫を召喚できたなら』(1)(Taco/徳間書店/webぜにょん)[/addLink]
・(m)単価高くて売れ案件。ひたすら可愛いのと、猫がやわらかそうな質感で勝ち。結構販促も力入れてる様子でフレア的な拡散に期待。

[addLink]『CANDY&CIGARETTES』(1)(井上智徳/講談社/ヤンマガサード)[/addLink]
・(m)最近のヤンマガサード面白さを牽引しているタイトル。表紙にはお爺さんのほうも入ってたほうがいいと思うんだけど・・・どうでっしゃろ。
・(凹)賛成。ジジイの方がヒキが良かった。弾丸ティアドロップらないことを祈る。
・(く)本編で相棒感が出始めただけに表紙ソロはちょっと残念

[weekly class=month day=3]月[weekly class=day day=3]日
・・・
[weekly class=month day=4]月[weekly class=day day=4]日
[addLink]『幻想グルメ』(1)(天那光汰・おつじ/スクウェア・エニックス/ガンガンONLINE)[/addLink]
・(m)食材よりも食べる側にファンタジーを詰めさせるのはすごく面白い。ストーリーも太めに作るみたいで読み応えがある。頑張ってみたい作品。
・(凹)メイドの表情が豊かで感情移入しやすい。よくわからない世界観だけど共通する感覚(味覚)を元に異文化交流ができている。
・(く)原作は頭を使ってる感がしてよい。漫画にした際の絵への落とし込みも上手い。
[addLink]
『空っぽのやつでいっぱい』(アボガド6/KADOKAWA)[/addLink]
・(く)既存の作家なら西島大介と阿部共実とつくみずを足して割った感のある作風。強気の値段だけど動きそう。
[weekly class=month day=5]月[weekly class=day day=5]日
[addLink]『リウーを待ちながら』(1)(朱戸アオ/講談社/イブニング)[/addLink]
・(m)医療ないし防疫サスペンスの名手だなぁ。じんわり進行してくる恐怖をドラマで見せるのが上手い。
・(凹)連載開始からmytくん好きそうだなと思ってた。

[addLink]『官能先生』(1)(吉田基已/講談社/イブニング)[/addLink]
・(m)エロいの一言でゴワス。
・(凹)吉田基已版カンゾー先生。妖艶な熟れた肉体を描いた前作から一転、若い女体の瑞々しさを描いてる。
・(く)求めているもの以上のものを平然と繰り出してくれる吉田基已isGOD

[addLink]『エマは星の夢を見る』(高浜寛/講談社/モーニング)[/addLink]
・(m)ミシュラン調査員というカジュアルな題材。高浜寛に新規流入するお客さんが生まれるときなので、ここから既刊をしっかり売りたいところ。『ニュクスの角灯』から『蝶のみちゆき』、『四谷区花園町』そして旧作と『SAD
GiRL』という流れが特に良いと思う。
・(凹)題材と取材と絵柄がマッチしていてとてもいい作品。料理漫画というよりはエマの成長譚。

[addLink]『大上さん、だだ漏れです。』(1)(吉田丸悠/講談社/アフタヌーン)[/addLink]
・(凹)赤面(特殊性癖)の女の子を描くのが上手な印象。ゲッサン作品と相性良さそうだなーと。

[weekly class=month day=6]月[weekly class=day day=6]日
・・・
今週の思うところ

コミタン!質問箱 第4回回答

コミックスの書籍扱いについての質問です。入荷次第、発売日より前に店頭に並ぶ場合や、版元によってはホームページ上の発売日が出庫日であったりするなど、読者にはその区別の意味が分かりません。業界再編の結果、レーベルごとに違いが生じ、同一商圏内でも店舗により入荷状況が異なります。同時発売のイラスト集だけが書籍扱いで、発売日には売り切れていたり、他の単行本と見た目の違いが無い作品もあり、混乱します。また掲載誌自体が雑誌ではなく書籍扱いで、その理由はバックナンバーを長期間店頭に置くためだそうですが、読者、書店、流通、版元それぞれのメリットやデメリット、その役割を解説して下さい。

ご質問ありがとうございます。
私見としてお答えすると、書籍扱いと雑誌扱いというスキームは読者・書店・流通・版元の四者にとってのメリット/デメリットの調整により発生したものではなく、かつて流通上の理由により生じて経路依存的に現状があるものだと捉えていますので役割のみ解説したいと思います。

2つの扱いにおける本質的な差とは「この本をどこにどれだけ配本するという判断をどこがするか」というところだと思います。

書籍扱いはその判断を原則出版社が行います。
雑誌扱いはその判断を原則取次が行います。

出版バブルと呼ばれていたような頃、数百万部が印刷された雑誌一冊一冊の配本についてゼロベースから積み上げ算をしていては週刊誌の定期発行は成り立たなかったでしょう。書店への送り込み数を販売実績やある程度の型にはめてしまう仕組みとして雑誌扱いという枠組みが必要だったのだろう、と推測をしています。当時はPOSなどなく雑誌にはスリップもないため、個店の売上数は「配本数-返本数」で把握しており、かなりの時間がかかっていただろうと思います。

雑誌コードのことを調べていたら近しい趣旨が記述されていました。
http://www.jpo.or.jp/magcode/history/index.html

以上は雑誌の話ですが、ではコミックスがなぜ「雑誌扱い(コミックス)」という形態をとることにしたのか、これも想像するところのみです。
コミックスの売上数が雑誌と比例しそうであること、続巻を前提とした周期性があるものであり配本を型にはめれること、一冊あたりの発行部数が大きかったこと、あたりが理由ではないでしょうか。
逆に書籍扱いを選択する理由としては、刊行物に特殊性があり配本を自社の営業で決定したいこと、雑誌コードを新規に取得できなかったこと(費用面?)が挙げられると思います。

また雑誌と書籍では正味が違う、ということもあるかと思いますがこれについては詳しくないところなので論じません。

ということで、ある作品やレーベルが雑誌扱いであるのか、書籍扱いであるのか、ということは読者・書店・版元、もっといえば作品に対するメリットとデメリット以前の問題で決定されている印象があります。

一方で雑誌扱いコミックスの初版単行本部数がこれだけ小さくなっている現状、またコミックに詳しい担当者が不在状態であるような書店が増えつつあるなか雑誌扱いというスキームは少々難しくなってきていると考えています。
これからの時代は1万部の本に対して、
・売れる店
・売ってくれる店
をどれだけ見つけて配本を約束し、販売のサポートをするのかが版元の考える営業になるでしょう。
また書店は
・売れる見込数
・自店に限らない売れる施策(大数的には自店で売れる施策でよい)
に対して正確な推測を持ち版元に伝えることが重要になるでしょう。

これらについて現状容易であるのが書籍扱いですので、以降の新規レーベルは大部分が書籍扱いを選択していくのでは、という予想をしています。
サイコミも書籍扱いですね。
https://cycomi.com/news/news_detail_48.php