週刊コミタン! 2013/02/24号

来週の気になるタイトル
2月25日
『俺物語!!』(3)(アルコ・河原和音/集英社/別冊マーガレット)
・色々と受賞して帯が喧しいがこれで書店員に対するアピール度も十分だろう。あまり押し出しはせずしかし確実に売ろう。少し探してもらえるぐらいがいいので、「入荷しました」という看板掲示はしっかりやりたい。

『恋する女の子はいつも』(四元シマコ/集英社/別マTWO)
・別マTWO掲載作品のみでは一冊にならないハズ。ビアンカからのも掲載?な短編集。男の子ではなく男として異性を意識しはじめた女子たちの恋が成就するまでの作品が多い。恋愛というファンタジーに向き合う女子たちのリアルをうまく描いているが、内容的にはそれでもまだファンタジー寄り。女の子はお砂糖とかわいいものと恋でできているみたいなテンション。内容で判断するならば別マ銘柄の中では対象年齢は低めに設定するべきか。

『茜君のココロ』(湯木のじん/集英社/別マTWO)、『恋する女の子はいつも』(四元シマコ/集英社/別マTWO)
・別マの新人がしっかり育ってきている気配。ただ実際の売り上げにつながるのがランキング入りするか、賞などを取ってからの場合が多い。売り場でいかに注目の新人としてアピールしていくかが課題。
・しかし「別マ」の層は厚い。「別マ」一誌から「別マSster」と「bianca」/「別マTWO」が出てさらに「ザ・マーガレット」にも新人を派遣。本誌掲載ともなるとしっかり磨かれていてどれも読み応えがある。『君に届け』しかり看板作品の存在が勢いとゆとりに繋がるのか?取り上げたこの2タイトルは「別マTWO」から。女の子同士の絡みやサポートはやや少なく、男の子が気になり始めて付き合・・・いやその手前まで・・・いやでも最後には・・・みたいな距離感。『俺物語!!』の売れ行きとはおそらくまるきり無関係でしょう。

『どーにゃつ』(2)(コザキユースケ/スクウェア・エニックス/ヤングガンガン)
・1巻の配本が渋かった印象。2巻はどうなるか。SFでのフックは弱そうなので『しろくまカフェ』『きのこいぬ』『ぢべたぐらし』あたりとの並売が良さそう。

2月26日
『ナツメキッ!!』(7)(七島佳那/小学館/Sho-Comi)
・平積みでガシガシ売れているわけではないが小中学生くらいの層に棚で動いている。
次世代のマンガ読みを育てる意味でも上記の層を意識した棚作りもしていきたい。

『恋におちたら』(藤緒あい/小学館/Cheese!)
・12月に初単行本が発売した藤緒あいがまさかの速度で2冊目を刊行。これは本誌で相当推してるんじゃねーかと!アラサーこじらせ系の派生種というか、初恋もまだの見栄っ張り女子大生とおじさんの恋愛譚。この作者は、大人と子どもの精神性の描きわけがとても上手いので、年の差ものは大歓迎。ややαよりな内容同様に、購買層は高めに設定したいところ。

2月27日
『手塚治虫からのメッセージ 核と未来』(手塚治虫/竹書房)
・手塚治虫の(多分)エッセイ。手塚作品のエッセイは読んだことが無い人が多いと思うので、この機会にぜひ。
・講談社の全集でもエッセイがあったことを思い出した。コミック棚より社会とかのほうが動くかな?

『√3=(ひとなみにおごれやおなご)』(1)(みなぎ得一/ホビージャパン/コミックダンガン)
・ほぼ同日発売の『足洗邸の住人たち。』が13巻で完結。世界設定は同じで足洗に登場する万魔殿学園での学園生活を描くもの。みなぎファンは買うだろうがそれ以外の人にいかにアピールするかが問題。

『雀術師シルルと微差ゴースト』(1)(片山まさゆき/竹書房/近代麻雀)
・たまに出てくるオカルト、いやスピリチュアル系片チン。不沈艦『ムダヅモ無き改革』もそろそろ…という状況で「近代麻雀」の看板が押川雲太朗というのも同誌のらしさかもしれません。あと『鉄鳴きの麒麟児』。

『焔の眼』(3)(押切蓮介/双葉社/漫画アクション)
・『ハイスコアガール』もいいけど、こっちも押切蓮介の狂気がにじみ出ていて良い。
・『ミスミソウ』復刊が双葉社からとは予想外。今作の今売り「アクション」での暴行シーンには少し『ミスミソウ』を思い出した。

2月28日
『SILENCER』(1)(ながてゆか/小学館/スペリオール)
・『ブラックラグーン』の代わりとはいかないまでも、カッコいい女刑事が出てくるクライムアクション。タイトルの通りに愛用の銃は消音だけど、その必殺仕事人的側面が王道っぽくてたまらない。表紙に大きく銃が描かれているわけでなく、刑事要素も薄いので、帯次第だがその手の作品を好む層へのアピールは必要かも。同一著者の『蝶獣戯譚』との併売は必須だが、あまり動いていない店舗は単体での展開でもいいだろう。

『花と奥たん』(2)(高橋しん/小学館/月刊!スピリッツ)
・約4年振りの続巻。もちろん1巻と並売はマスト。グルメまんがコーナーでも、夫婦マンガコーナーでも良さそう。『雪とツバサ』併せはいただけない。

『カラメルキッチュ遊撃隊』(2)(大石まさる/少年画報社/ヤングキングアワーズ)
・世界の謎がわかりつつあり、話に奥行きが出てきた。大石先生の描く女の子は健康的で好きだが、今回はシリアスな部分もあり2倍楽しめる。
・世界の謎がわかってしまって全3巻で終わりそうな気配が・・・。謎が明かされなくてもとにかく世界はそういうふうになっているという前提があってもキャラクターで読ませるのが上手かったのだと思う。

『裸者と裸者 邪悪な許しがたい異端の』(1)(七竈アンノ・打海文三/少年画報社/ヤングキングアワーズ)
・前作『裸者と裸者 児部隊の世界永久戦争』の後編だが、前編とは別の主人公を立てる内容。前作は男目線で、今作は女目線で内戦をたくましく生き抜く姿を描く。女の子のキャラが結構ポップなので、表紙の雰囲気がどうなるか期待。
・エスっ気のある女の子描きたいマンガ家No.1だと思うので女の子を押し出した表紙だと新規層にアピールがありそう。1巻にリナンバリングしてくれたのもあるし、こっちの層で当たるんじゃないかな。

『BUGS LAND』(1)(藤原芳秀/小学館/モバMAN)
・直近では砂塵航路が刊行されていた『JESUS』コンビの新作。「ヤンサン」で刊行されていた『BUGS 捕食者たちの夏』のコンビでもあるので、何かしらのリンクはあるのかしら?立ち上がりはゆっくりと、棚で置いて回転するタイプの作品だが、絵柄から若い層にはあまり好まれず、作者や世界観のファンが支持するタイプの作品なので、同コンビ、原作者の作品がイマイチという店舗は売り伸ばしに苦戦しそう。モバMAN発のアクション作品ということで、動き方はまだまだ未知数。

『マホロミ』(2)(冬目景/小学館/ビッグコミックスピリッツ)
・有名な作家だが知らなくても建築や調度品のうんちくなど勉強になり楽しめる。建物や調度品の書き込みや少し前の時代の建築を追うところなど、存外『ちろり』(小山愛子/小学館/ゲッサン)などと相性が良さそう。

『まかないくん』(西川魯介/白泉社/ヤングアニマル)
・『くーねるまるた』が売れているって?男が読むべきはこっちだろ!簡単な一工夫でできる料理とカワイイ女の子、男子が読むグルメマンガはこういうので良いんだ。

3月1日
・・・
3月2日
・・・
今週の思うところ
2月18日
・・・
2月19日
・「ウルトラジャンプ」好調。付録(ジョジョ展の様子を見れるDVD)効果か?来月からは寺田克也が新作を始めるとのことなので少し強めに。

『クズの本懐』(1)(横槍メンゴ/スクウェアエニックス/ビッグガンガン)
・配本がクズでした。最近、スクエニは本当に酷い。どこに撒いているのか、刷ってないのか…。とはいえ販売部は意外に心優しいです。配本や実売、類似タイトルとの併売をチラつかせると出してくれます。

『極黒のブリュンヒルデ』(4)(岡本倫/集英社/ヤングジャンプ)、『君は淫らな僕の女王』(岡本倫・横槍メンゴ/集英社/ミラクルジャンプ)、『クズの本懐』(1)(横槍メンゴ/スクウェア・エニックス/ビッグガンガン)
・ブリュンヒルデも引っ張られて動き出している。他2点は予想通り配本少なめで瞬殺。早く追加を!

『レイチェル・ダイアル』(1)(皿池篤志/集英社/ミラクルジャンプ)
・雑誌の読者が少ないため初速は遅いが表紙も中身も良いので試し読みで中身を知ってもらいゆっくりと売っていく。
・裏設定を教えてくれるおまけページが嬉しい。
・初速は速くないが確実に動いている。追加取って大きく売っていきたい。装丁も綺麗だった!

2月20日
道満晴明『ヴォイニッチホテル』(2)(秋田書店/ヤングチャンピオン烈)、『ニッケルオデオン緑』(小学館/IKKI)
・予想以上に初速が速くて良かった。女性にもそこそこアピールできている印象。併せ帯も可愛い。
2月21日
・・・
2月22日
『Eから弾きな』(1)(佐々木拓丸/講談社/イブニング)
・配本の一部にバーコードシールが付いていないミスが。皆さま、平気でしたか?
・新人の1巻でシュリンク済みは特にやめてほしいなー。書店員も読めないぞ。この企画今のところ何戦何勝というかなにをもって成功にするんだろう。
・シュリンク済み商品には作品アピールのために確実に見本誌を付けて欲しい。『なりひらばし電器商店街』然り『満ちても欠けても』然り良い作品が多いのでこの機会損失は勿体無い!

『勇者ヴォグ・ランバ』(2)(庄司創/講談社/アフタヌーン)
・実売3割の配本。やってられないっす。追加とって、ゆっくりと棚で回転させたし。
・お硬い本こそ実売通りにまいて追加注文対応を厚くしたほうが柔軟に対応できそうだが・・・。

2月23日
『ホークウッド』(3)(トミイ大塚/メディアファクトリー/フラッパー)
・配本がチェーン一番店の8倍。意外と売れてないタイトルなんすかね?迫力あるの戦争シーンに傭兵たちの骨太なストーリー、おっさんホイホイなんですけどね!
・ウェブ連載発でしたっけ。「フラッパー」に移籍はしたものの書店員認知度は低そう。しばらく『狼の口』(久慈光久/エンターブレイン/ハルタ)と一緒にしてました。
その他
・新宿三丁目マルイワンに「アニメガ」が新規出店。開店セットがそのまま入った棚は版元・取次が言うところの常備品とイチ押しが露骨に出ているので必見。ト○ハンが派遣した人が棚にものを詰めたらしいが、何も知らない人間に品出しをやらせるとどうなるのか、というのも見どころの1つ。こういう状態の本屋って少なからずあるのでは。杉山小弥花はそりゃレーベルに別れちゃいますよね。担当は超実力者なのでこれからの変化に期待大。
■2013年2月15日~2月21日のレポート(myt調べ)
タイトル出版社指数値ISBN
マギ  16小学館4.054091241816
キングダム  29集英社2.764088795210
FAIRY TAIL  36講談社2.344063848108
テラフォーマーズ   4集英社2.294088795237
坂本ですが? 1エンターブレイン1.254047286338
PEACE MAKER  10集英社1.094088795059
信長協奏曲   8小学館1.054091241174
生徒会役員共   8講談社14063848175
史上最強の弟子ケンイチ  50小学館0.944091241824
AKB49~恋愛禁止条例~  12講談社0.94063848167
DEAR BOYS ACT3  12講談社0.854063713652
王妃マルゴ   1集英社0.844087824837
事件記者トトコ!   1エンターブレイン0.814047287059
うみべの女の子   2太田出版0.84778321871
C0DE:BREAKER  23講談社0.84063848132
七つの大罪   1講談社0.784063848027
SKET DANCE  29集英社0.764088706293
レイチェル・ダイアル   1集英社0.764088795229
capeta  31講談社0.744063767825
誘爆発作   3講談社0.744063763692
ニッケルオデオン 緑小学館0.694091886167
君は淫らな僕の女王集英社0.654088795253
団地ともお  21小学館0.614091848567
ノラガミ   6講談社0.614063713660
トリコ  23集英社0.6408870617X
君に届け  18集英社0.64088468813
ハクメイとミコチ   1エンターブレイン0.594047286346
銀魂  48集英社0.594088706153
西原理恵子の人生画力対決   5小学館0.594091791794
黒子のバスケ  21集英社0.574088706188
喰う寝るふたり 住むふたり   1徳間書店0.564199801197
WORST  31秋田書店0.544253216218
まんが親   2小学館0.54409185110X
サルチネス   2講談社0.524063822656
嘘喰い  28集英社0.524088795202
トラップホール   1祥伝社0.51439676569X
山田くんと7人の魔女   5講談社0.494063848191
惡の華   7講談社0.494063847616
会長はメイド様!  16白泉社0.484592191862
サルチネス   1講談社0.484063822192
ヴォイニッチホテル  2秋田書店0.484253255728
GATE7   4集英社0.474088705440
帝の至宝   5白泉社0.464592191250
電波教師   5小学館0.454091241808
Sunny   3小学館0.454091886132
トーチソング・エコロジー   2幻冬舎0.444344827112
ベイビーステップ  25講談社0.444063848124
ブラック・ジャック創作秘話~手塚治虫 2秋田書店0.434253132405
HUNTER×HUNTER  31集英社0.424088706978
おかあさんの扉   2 二歳児の逆襲オレンジページ0.414873038421

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