・ここからでも買いやすいタイトル、話に連続性がないエッセイ系の続刊としてこの配慮はありがたい。このマンガに限った話ではないけども猫マンガは人と猫との間のプロトコル、お約束を理解しているとより楽しめるのかなと気づいた。
『ULTRAMAN』(2)(清水栄一・下口智裕/小学館クリエイティブ/HEROS)
・山手線構内の電子ポスターに大きく広告が出る模様。目ざましテレビなどでも紹介され2巻発売のタイミングで売れ伸びる可能性あり。
・原作者名難読(みうらついな)。骨太なファンタジー入りサスペンスで「good!アフタヌーン」本誌のなかでもオリジナル作品・雑誌のカラーとしてプッシュされていく感じがあるが果たして。
・オンラインゲームが原作のタイトルながらバトルあり、チームミッションあり、そこにはやっぱり裏切りあり、主人公に背負うものありと素晴らしく熱い少年マンガになってます(お色気が足りないか)。カプコンの名前が無いほうがかえって売りやすかったかも。コミカライズってだけで売れることもあれば敬遠されることもあるとは思う。原作の絵柄を見ると(http://cog.ixion-saga.jp/)全く共通点を見とれず、どの辺りが原作部分として寄与しているのか不明。絵柄も相まって「ライバル」創刊時のモンスターハンターのコミカライズが偲ばれる。真島ヒロの隣という位置に並べるのもそんなに悪くないような気がします。
『ハーベストマーチ』(1)(フクイタクミ/秋田書店/チャンピオン)
・『ケルベロス』のフクイタクミが帰ってきた!ジャンルとしてはダークファンタジーなのかな?人ではない力を手に入れた少年が姉のために戦うと。微エロに触手に人が死ぬわで、少年誌とは謳っていながらも独自色の濃いチャンピオンらしい作品。メイン層は男性の20代から上あたりか。学生には響かないというか、内容で敬遠されそうだが、『進撃の巨人』がアニメ化するしで最近の学生にはこの手の耐性がついているのかもしれない。
『とりかえ・ばや』(1)(さいとうちほ/小学館/flowers)
・時代もの少女マンガの伝統に「flowers」の”らしさ”を感じる本誌読者は多いと思う。レジで見ていて本誌を買う層は年齢層が高い(『風光る』『7SEEDS』率が高い)ところからなんとなく。それぞれの出自はさておき岩本ナオとか小玉ユキとか穂積の若さと、今作や『エンジェルトランペット』『準備中―。』などのベテランの新作に長期連載作品が並ぶバランスがいい。本誌読者が両方を楽しんでいてくれるといいな。谷和野はやく売りたい。
『アシさん』(1)(タアモ/小学館/flowers)
・マンガ家マンガではなく(それもさらに言えばアシスタントマンガだが)ギャグマンガのほうで。少女マンガ装丁がギャグマンガ棚に来るとすごい違和感が発生しそうでありがたい。ここで目が留まるはず。しかしタアモ先生も随分とこなれたな・・・という印象。
・どちらかというと男性読者に好まれそうな作品。「アオハル」などでも露出しているのでガチガチの少女マンガコーナーよりはユニセックスな売り場での展開が良さそう。並売推奨は金田一蓮十郎作品。
・タアモの小学館への帰還。『たいようのいえ』(講談社/デザート)がスマッシュヒットしたが、こちらはあまりそっちの客層を狙わないほうがいいかも。絵柄等で初速は出るかもしれないが、続刊となったときについてきてくれるのは男性のような気がする。マンガ家マンガでくくるよりは、日常コメディの派生種として捉えたい。具体的には、最近だと『くーねるまるた』(高尾じんぐ)とかね。
『空が灰色だから』(5)(阿部共実/秋田書店/週刊少年チャンピオン)
・突然の完結に驚いた
・新連載は「もっと!」かよ!『ちーちゃんはちょっと足りない』というタイトルがいかにも阿部共実っぽい感じなので期待ですね。という読者の期待が芸風を固定してしまう感があるが大丈夫なのだろうか・・・。このタイトルが属した「週刊少年チャンピオン」謎マンガ枠の後継はたばよう先生か。ちなみに先代は『被害妄想少女うれいの日常』(中村ゆきひろ)のイメージ。こっちは残念ながら未単行本化!
『月見月理解の探偵殺人』(1)(2)(白梅ナズナ・明月千里・mebae/講談社/月刊少年シリウス)
・ニコニコ静画などでも配信されている。一般層に訴求力ありそう。
・1巻の初速は良くなかったが、女性コミック売り場の平台に移した後にゆっくりとだがコツコツと売れている。メディアでも取り上げられ注目度はあがっているので、発売時には再アピールをしたい。
・「フィールヤング」前かめしマンガかの棚で女性層に向けて一度は仕掛けてみるべきタイトル。併売はフックに使うなら『きのう何食べた?』、『喰う寝るふたり住むふたり』。他には『Hatch』(村上かつら)も売りたい。
『ザッドランナー』(4)(カサハラテツロー/新潮社/@バンチ)
・連載終了が惜しまれる。次の作品にも期待。個人的には学園要素を排除してメカニックの部分を強調した作品が読んでみたい。
『カーマトリック』(中西達郎/マッグガーデン/ブレイドオンライン)
・面白い作品なんだがオールカラーA5版型1260円というのが難点。数を売るというよりは面白さをしっかり伝えて確実に売っていくイメージ。
『お気の毒ですが、冒険の書は魔王のモノになりました。』(1)(サイトウミチ・KAKERU/日本文芸社/コミックヘブン)
・KAKERU初の原作タイトル。同誌連載中の『天空の扉』と同様の客層が期待できる。『天空の扉』よりも間が上手いというか、シリアスなシーンにもついつい笑ってしまうようなシュールさが際立つダークファンタジー。
『カーマトリック』(中西達郎/マッグガーデン/ブレイドオンライン)
・奇才、中西達郎の最新作にして、5年ぶりの原作以外のタイトル。異形の侵略者に蹂躙されていく世界を舞台に始まるボーイミーツガール。A5判型フルカラーとマッグガーデンの中でもかなり異色の作品で、売り伸ばすというのは難しいだろう。いくつもの伏線が、収拾されることなく単巻で終わりそうというのが非常に残念だが、表紙もなかなか良さげなのでウチは仕掛ける。物凄くマニアックというか、ファンが限られた作者なので、仕掛けるならば新規層に売っていくことをまず考えるべき。正直、なかなか厳しいと思うがオレはなんとか売ってみせる。
・(myt)記念すべき10周年号の通信欄で往来堂書店の若造が偉そうに喋っている!
「アフタヌーン」
・新連載3連発がことごとく面白かった。特に『ほしにねがいを』のアフタっぽさ。このアフタっぽさが欲しくて雑誌を読むんだってばよ。
『俺物語!!』(3)(アルコ・河原和音/集英社/別冊マーガレット)
・帯が賑やか。俺マンも1位だったのか。
・同じくCheese!の『私はまだそれを知らない』(椎名チカ)と合わせてオジカレフェアなるものを開催したようだが、椎名チカ銘柄だけが3月の発売なので、この帯にある本は?みたいな問い合わせ多数。発売日は合わせられなかったのですかね。
・マンガでしたね・・・。そりゃアトムがいるものなぁ。その晩年にはチェルノブイリもあったんだよなと思いだしつ、清水玲子の『月の子』って改めて売れたりしないかなと(原発の話になるのは少し後からだったと思う)
・まさかの廉価版アンソロジー。エッセイではないので要注意。
『囚人と紙飛行機 少年パラドックス』(1)(紅村岬・猫ロ眠@囚人P/メディアファクトリー/コミックジーン)
・今はやりのボーカロイド小説のコミカライズ。ただ他のシリーズに比べると、やや原作の売り上げが落ちるので(『カゲロウデイズ』>『悪ノ娘』>『囚人』)、小説コーナーでもアピールを忘れずに。
『√3=(ひとなみにおごれやおなご)』(1)(みなぎ得一/ホビージャパン/コミックダンガン)
・初日に完売『足洗~』の三分の一程度の配本だったのでみなぎファンがそのまま流れてまあそんなものかと。
・お客さんもそうだけど、バイトが読めなくて事故る寸前に。今年の難読タイトルナンバー1候補だぜ…。
『新次元アセンション』(2)(渡辺瑞樹/メディアファクトリー/コミックジーン)
・ムー公認コミックな感が出てきた。スピリチュアルの流れから、世界規模の組織の暗躍みたいな都市伝説っぽい内容に少しずつシフトしているので、ムー民必読ですな。
表紙でもっと女の子成分を出してもいいんですよ!
『2DK』(1)(スエカネクミコ/集英社/ジャンプ改)
・同発『放課後のカリスマ』より動きが良い。キャッチーなネタなのでその辺の引きの強さか。渡辺ペコとか阿仁谷ユイジ作品と並べてAVフェアなど面白いかも。
・『きなこタイフーン』なつい。
『ナナとカオル Black Label ゴージャス同人誌つき限定版』(3)(甘詰留太/白泉社/ヤングアニマルあいらんど)
・執筆陣にアサイさんが居て俄然欲しくなる。無印『ナナとカオル』より大分売れが落ちるが・・・。
『猫と私の金曜日』(マーガレット)→集英社だしわかる。
『31☆アイドリーム』(MELODY)→専属じゃなくなるのかー。白泉社も頑張ったな。
歌手デビュー→??????
タイトル | 出版社 | 指数値 | ISBN |
---|---|---|---|
宇宙兄弟 20 | 講談社 | 3.85 | 406387169X |
俺物語!! 3 | 集英社 | 2.86 | 4088468961 |
キングダム 29 | 集英社 | 1.94 | 4088795210 |
テラフォーマーズ 4 | 集英社 | 1.84 | 4088795237 |
へうげもの 16 | 講談社 | 1.47 | 4063871797 |
きょうは会社休みます。 3 | 集英社 | 1.36 | 4088450027 |
マギ 16 | 小学館 | 1.17 | 4091241816 |
それでも町は廻っている 11 | 少年画報社 | 1 | 4785940271 |
うみべの女の子 2 | 太田出版 | 0.98 | 4778321871 |
グラゼニ 9 | 講談社 | 0.97 | 4063871894 |
放浪息子 14 | エンターブレイン | 0.97 | 4047286966 |
ベアゲルター 1 | 講談社 | 0.92 | 4063763838 |
鬼灯の冷徹 8 | 講談社 | 0.91 | 4063871908 |
無限の住人 30 | 講談社 | 0.89 | 4063878694 |
信長協奏曲 8 | 小学館 | 0.79 | 4091241174 |
C0DE:BREAKER 23 | 講談社 | 0.74 | 4063848132 |
事件記者トトコ! 1 | エンターブレイン | 0.74 | 4047287059 |
坂本ですが? 1 | エンターブレイン | 0.74 | 4047286338 |
ぼおるぺん古事記 3 海の巻 | 平凡社 | 0.74 | 4582287484 |
誘爆発作 3 | 講談社 | 0.72 | 4063763692 |
SKET DANCE 29 | 集英社 | 0.71 | 4088706293 |
とある魔術の禁書目録 11 | スクウェア・エニックス | 0.69 | 4757538758 |
西原理恵子の人生画力対決 5 | 小学館 | 0.64 | 4091791794 |
PEACE MAKER 10 | 集英社 | 0.63 | 4088795059 |
団地ともお 21 | 小学館 | 0.61 | 4091848567 |
アイアムアヒーロー 11 | 小学館 | 0.6 | 409184880X |
世界の果てでも漫画描き 3 チベット | 集英社 | 0.59 | 4420220589 |
七つの大罪 1 | 講談社 | 0.54 | 4063848027 |
まおゆう魔王勇者 6 | 角川書店 | 0.53 | 4041205778 |
君は淫らな僕の女王 | 集英社 | 0.53 | 4088795253 |
サルチネス 2 | 講談社 | 0.52 | 4063822656 |
ニッケルオデオン 緑 | 小学館 | 0.52 | 4091886167 |
トラップホール 1 | 祥伝社 | 0.51 | 439676569X |
魔法少女リリカルなのはViVid 8 | 角川書店 | 0.51 | 4041205972 |
神の雫 36 | 講談社 | 0.48 | 4063871886 |
会長はメイド様! 16 | 白泉社 | 0.48 | 4592191862 |
神様はじめました 15 | 白泉社 | 0.48 | 4592192958 |
GATE7 4 | 集英社 | 0.47 | 4088705440 |
トーチソング・エコロジー 2 | 幻冬舎 | 0.47 | 4344827112 |
惡の華 7 | 講談社 | 0.47 | 4063847616 |
サルチネス 1 | 講談社 | 0.46 | 4063822192 |
帝の至宝 5 | 白泉社 | 0.46 | 4592191250 |
ヴォイニッチホテル 2 | 秋田書店 | 0.45 | 4253255728 |
テラフォーマーズ 1 | 集英社 | 0.45 | 408879270X |
KEYMAN THE HAND OF 4 | 徳間書店 | 0.45 | 4199503269 |
魔法戦記リリカルなのはForce 6 | 角川書店 | 0.45 | 4041205980 |
乙嫁語り 5 | エンターブレイン | 0.44 | 4047286311 |
Sunny 3 | 小学館 | 0.43 | 4091886132 |
ブラック・ジャック創作秘話~手塚治虫 2 | 秋田書店 | 0.43 | 4253132405 |
おかあさんの扉 2 二歳児の逆襲 | オレンジページ | 0.41 | 4873038421 |
・ネット(2ch,ふたば)でのカルトな人気は実売に結びつくのか?打ち切りレースはかろうじて次点という感じだが・・・。購入層は男性で年齢高めなんじゃないでしょうか。デフォルメが効いていて単純なパーツの組み合わせでコロコロ変わる表情が可愛い。先輩警官の適当さには『正義警官モンジュ』(宮下裕樹/小学館/サンデーGX)の主人公を連想。
・「アライブ」とか「ブレイド」でやっていそうなマンガだが、「週刊少年ジャンプ」を読むような一般層への訴求力はどれ程だろうか計りかねる。こういうキャラ漫画の方が長期連載には向いているはずなので続いて欲しい。キルコさん可愛い。
『クロス・マネジ』(1)(KAITO/集英社/少年ジャンプ)
・最近のジャンプで一番面白いと思うが、巻末らへんに掲載されているので、いつ打ち切りになるかひやひやしながら読んでいる。ジャンプと言う少年誌の王道のなかで、主人公がスポーツやらずにマネージャー、部活はマイナーなラクロス、そして女子部という、よくこの設定で連載会議に通ったと思うほどジャンプには向かない条件が揃っているが、「友情・努力・勝利」とは一味違ったスポーツ漫画が載ったていいじゃない。最近では主人公とヒロインだけでなく、部員一人一人にスポットを当ててキャラを掘り下げているので、作品に広がりが出てきているが、部員全員にフラグがたって違った方向に行かない事を願う。
・最近の連載での展開の早さ、特に試合の飛ばしっぷりは打ち切りを思わせる。週刊だとどうしても仕上げが甘くなってしまうのか、キメゴマの表現力は素晴らしいのに抜いた絵が雑に見えてしまう。伝えたいテーマなど凄く良いので「SQ.」などに移ってしっかり絵を描き込んで欲しい。
・この作品は間違いなく打ち切られるだろう。一番の問題点は掲載誌が「ジャンプ」だったということ。時間をかけて世界を構築し、周囲のキャラクターを固めていくことができれば間違いなく傑作になっただろう。作者の未来のためにコミックスを販売して、次回作に期待か。前述したように「ジャンプ」とは合わない作風のために内容はかなり駆け足になっている。それでも大事にされている日常パートを好むマンガ好きは多そうなので、アピールするならばコア層へ。
『ドラゴンボール超全集』(2)(鳥山明/集英社)
・1巻の発売前は情報が無く売り上げ予想がつかなかったが、昔発売された『ドラゴンボール大全集』に鳥山明の新規インタビューが載った新装版とわかれば、売れないわけがない。1巻発売時は取次に在庫があったので、2巻も入荷が少なければそく追加手配をしたい所。
・うちはカラー版含めてダメでした・・・。
『亡国のジークフリート』(2)(天望良一/講談社/ライバル)
・マガジン連載中で大ヒットとなった『七つの大罪』(鈴木央)と併売したい。この作品には、鈴木央の直近の長期連載だった金剛番長と同じ匂いを感じる。あくまで大真面目なのだが、自分を貫き通す主人公のキャラクターの強さや、情景とのアンマッチさから生まれるシュールさが似通っているのか?ともあれ、売り伸ばしたいタイトルのひとつ。