週刊コミタン! 2013/03/24号

来週の気になるタイトル
3月25日
『日々蝶々』(3)(森下suu/集英社/マーガレット)
・本誌誌面では間違いなく看板、売上的にはまだ伸ばせるポテンシャルがありそう。「手をつなぐの、つなげないの、つなぐの!?」だけで2か月4号読ませる少女マンガ恋愛っぷりにオッサンはなんかほっとしてしまう。常備は必須で、ここから仕掛けてもまだ乗れる。こういうシンプルな絵の表紙は帯がなくなると分かりづらいのが難点。

『ディアマイガーディ』(綾瀬羽美/集英社/別冊マーガレット)
・絵柄的には八田鮎子の系譜だと勝手に思っていたのだが、帯は咲坂伊緒だった。ここ最近の別マ系新人では一番売れるのではと思っている。2012年末頃は精力的に作品が掲載されていたので、別マの中核を成す作家になることを期待して常備しておきたい。

『新聞部の小松さん』(水野美波/集英社/別冊マーガレット)
・ウチの棚の超定番、青春トリッカーズの続編。前作を知らなくても読めるような作りになっているので、単体でも十分にしかけることはできる。虹色デイズのさっぱりめと比べて、表紙等が可愛らしく作品にマッチした甘い感じに仕上がっており女子を中心に動きそう。Amazonの説明によると、個人的に傑作だと思っている過去の読み切り「バイバイロンリー」が収録されるようなので、そちらが再読できるのが一番の楽しみ。

『武装中学生2045-夏-』(1)(長谷川光司・岡本タクヤ/ワニブックス/コミックガム)
・エンターブレインの小説のコミカライズ。長谷川光司だしそこそこ動きそう。

3月26日
『星屑とコスモス』(さよならポニーテール/集英社/biancaほか)
・高い!が強固な世界観がありタレント本というイメージをはね返すほどには好感度が高い。まさにこんな「看板」のイメージの話でかえって初読者には薦めづらいような気もする。どんな人が買うんだろう。集英社の書籍は配本数決定が早いなー。
・世界観とか好きなんだがイマイチ一般層に波及しない。上手に広げられれば、色んなアイテムと繋げやすい。

3月27日
『カゲロウデイズ』(2)(佐藤まひろ・じん/メディアファクトリー/コミックジーン)
・1巻の動きが予想以上に良く、発売2か月目以降の動きは昨年一番。コミックコーナー・文庫コーナー・ボカロ小説コーナーとどこに置いてもよく売れる。初回入荷がしっかりと入るお店は、発売日から各売り場においてアピールを。
・一方文京区では・・・。

『The iDOLM@STER』(まな/一迅社/ComicREX)
・いくつものアイマスコミカライズがあったが、絵柄・ストーリーともアニメに近く決定版という感じがある。これまで「REX」の話をする機会は非常に少なかったがこの弾になるとは・・・。『アサシネ』(平野耕太)なんてなかった。

『ろんぐらいだぁす』(1)(三宅大志・LONGRIDERS/一迅社/ComicREX)
・三宅大志の自転車漫画。『南鎌倉高校女子自転車部』(松本規之/マッグガーデン/コミックブレイド)との併売は必須!

『わくらばん』(1)(桂明日香/アスキー・メディアワークス/週刊アスキー)
・「やってることほんと『ハニカム』だよなー」などと言っていたら本当に『ハニカム』だった。産休もあり桂明日香の単行本発行もだいぶ間があいてしまった。『ハニカム』を思い出させてお客さんを取り戻したい。

3月28日
『銀のニーナ』(2)(イトカツ/双葉社/漫画アクション)
・発売日すぐというより、のんびりと平台で売る作品。今なら新刊平台に『よつばと!』があるので一緒に売りたい。
・初速については『銀のニーナ』を買ってほしい層の殆どが「漫画アクション」を読んでないからだと思うんですよね。『富士山さんは思春期』は合致してると思うのでマッハだと思います。
3月29日
『重版出来!』(1)(松田奈緒子/小学館/月刊!スピリッツ)
・”重版出来と書いて、”じゅうはんしゅったい”と読む。知ってるようで知らない編集部の世界を覗きつつ、仕事に情熱を持った女性を楽しむ漫画。併売は『働きマン』や、久世番子など組み合わせはいろいろ。
・この間の”でき”、”しゅったい”騒ぎが仕込みだったら笑う。
・横に置くなら『チャンネルはそのまま』(佐々木倫子/小学館/ビッグコミックスピリッツ)のイメージが強く色々悩んだが、「漫画のマンガ」・・・いや「本屋マンガ」ゾーンかなという感じに。しかしそうすると書店員頑張ってます!がむず痒くもある。『編集王』(土田世紀)と職業は同じでどちらもおバカ熱血キャラだが、やや対照的な印象。作中で対抗する敵がいないところですかね。
・ネット上では書店員を中心にかなり盛り上がっている印象だが、編集マンガなのか書店マンガなのか流通マンガなのかがイマイチつかめない。個人的に、老化で姿勢が悪くなったからパースが狂ったみたいな読者が共感できるネタのほうが一般層には有効のような…。ゼノン連載中の『私の彼は仕事ができない』とかがコミックスになった時に、書店員出てくるマンガ的にやればいいかなーと。
・現代版『編集王』と言った感じだが、出版社や取次、書店など出版流通の裏側をラギットに描いていてヒヤヒヤしながら楽しく読める。出版関係者には確実に刺さると思われるが、その先にどれほど広がりがあるか正直読めない。

『手原和憲短編集 1』(手原和憲/小学館)
・がっつりサッカーマンガ(なはず)。『フットボールネーション』や『1/11』はもちろん、『我らの流儀』を買う人にもささる。挫折、それがいい。

『おもいでだま』(2)(荒井ママレ/小学館/スペリオール)
・設定好きの自分には刺さったが、販売は思ったほど動かなかった。2巻装丁に期待。

『花と奥たん』(2)(高橋しん/小学館/月刊!スピリッツ)
・よもや2巻が出るとは読者も予想していなかったのではないだろうか。そういうお客さんに認知されるよう、また、新規のお客さんをつかむためにも1巻と併売は必須。

『ちいさこべえ』(1)(望月ミネタロウ・山本周五郎/小学館/ビッグコミックスピリッツ)
・鬼才望月ミネタロウの新作。山本周五郎原作だが若い層に向けての作品で間違いない。アングルの巧みさからくる不思議な雰囲気はクセになる。

『てるみな』(1)(kashmir/白泉社/楽園)
・ロリっ子が電車で遠出する。その世界が不思議にあふれていて心をくすぐられる。
・高尾山ってこええよこええよ。

3月30日
『アリスと蔵六』(1)(今井哲也/徳間書店/COMICリュウ)
・読んでいてビビッと来るところが薄いという不安と、ここまでで判断されても・・・というこれからへの期待がありまだガッツリ押し出すには早いか?という感じ。
・特殊能力幼女とじじいというアンマッチがフックになりそうだが、いつものことながらのスロースターターっぷりで、ストーリー上の大きなヒキはあまりないのかも。前作『ぼくらのよあけ』を期待した層にはいささか物足りないものになりそうで、ある程度、巻数が出るかまとめにかかった時が売り時のような気がする。
・確実に今回も面白さを伝えづらい作品ではある。人間の根っこの描き方はやはり上手い。

『購買のプロキオン』(ふかさくえみ/新書館/ひらり、)
・デビューコミックス、絵柄的に、前述した今井哲也『アリスと蔵六』とは客層の親和性が高そう。表紙から、4コマ層もいけるか。少し不思議な世界観とかわいいキャラクター、丁寧な話の進行と魅力的なポイントは多い。百合というジャンルから購買層は限られそうだが、男性コア層を中心に狙い撃ちしてみたい。昼間の購買にしか現れない女の子を、夜の星になぞらえてプロキオンという呼称はなんともロマンチックで良いなぁと。

今週の思うところ
3月18日
『ドリフターズ』(3)(平野耕太/少年画報社/ヤングキングアワーズ)
・まさに瞬殺。新刊がなかなか出ない作家さんなので、突発的に出して「新刊いつ出たの?」にするのはもったいない。充分に刷って事前告知をしっかりしたほうが、読者にいきわたるのでは。
・配本が相当削られたなという印象。
3月期の大きなタイトルの減数は長期的な品切れにつながるから本当にやめてほしい。取次も版元も棚卸しで補充なぞ入ってこないっての。
3月19日
「ウルトラジャンプ」
・『JOJOVELLER』の詳細情報が。完全受注ということもあり予約を取りたいので告知ページを店内で掲示。雑誌を買わせたいのかもしれないけど、配りビラが欲しい。
3月20日
・・・
3月21日
・・・
3月22日
『山賊ダイアリー』(3)(岡本健太郎/講談社/イブニング)
・マンガ大賞効果か、初速が前回の倍近い。

『刻刻』(6)(堀尾省太/講談社/モーニングツー)
・今売りモーニングツーで堀尾先生に『刻刻』のアイデアについての質問をしました。
・そんな企画が!

3月23日
『ナムコクラシックアンソロジー』(幻冬舎)
・発売延期。掲載陣の詳細情報が出てこなさすぎてヒヤヒヤしていた。4月の一覧にもないしポシャったか?

『三文未来の家庭訪問』(1)(庄司創/講談社/アフタヌーン)
・だいぶ売りやすい色合いと帯。それでも残念ながら絵でバシバシ売れる感じではないので煽っていこう。

その他
『機動戦士ガンダムジョニー・ライデンの帰還』(6)(Ark Performance/角川書店/ガンダムエース)、『機動戦士ガンダム虹霓のシン・マツナガ』(1)(Ark Performance/角川書店/ガンダムエース)
・どちらもゲームのコードがついているためか問い合わせ多数。複数必要になる類のものではないが、ゲーム系書籍が強い店舗は要注意かも。

・MFの新刊に並びそうなくらい、ふゅーじょんぷろだくとの新刊が入ってきた。うちの店はどこを目指してるのだ?
・目指すことを強いられているのだ?

■2013年3月15日~3月21日のレポート(myt調べ)
タイトル出版社指数値ISBN
ドリフターズ   3少年画報社5.064785950439
よつばと!  12アスキー・メディアワークス2.344048913522
ちはやふる  20講談社2.224063803791
ひきだしにテラリウムイーストプレス1.674781609481
あひるの空  37講談社1.434063848094
海月姫  11講談社1.44063409031
MIX   2小学館1.224091241204
ONE PIECE  69集英社1.24088706145
GANTZ-ガンツ-  36集英社1.054088795881
ダイヤのA  35講談社0.884063848272
スキップ・ビート!  32白泉社0.774592194926
金田一少年の事件簿 20周年記念シリ 4講談社0.734063848302
もっと やにゃか さんぽ白泉社0.724592197992
喰う寝るふたり 住むふたり   2徳間書店0.74199801413
暗殺教室   3集英社0.684088706331
エリアの騎士  35講談社0.584063848264
王様の仕立て屋~サルトリア・ナポレタ 3集英社0.564088795431
ハヤテのごとく!  36小学館0.54091242073
エクゾスカル零   4秋田書店0.484253234941
いつかティファニーで朝食を   2新潮社0.474107716988
坂本ですが?   1エンターブレイン0.474047286338
ボクを包む月の光  12白泉社0.444592190963
君のいる町  22講談社0.43406384837X
賭博覇王伝 零 ギャン鬼編   7講談社0.44063767949
ファンタジスタ ステラ   2小学館0.44091242774
空が灰色だから   5秋田書店0.384253217192
レイチェル・ダイアル   1集英社0.364088795229
ハヤテのごとく  36 CD付き限定版小学館0.354099418111
BLEACH-ブリーチ-  58集英社0.344088705513
宇宙兄弟  20講談社0.33406387169X
ニセコイ   6集英社0.334088706307
一緒に遭難したいひと   4講談社0.314063377709
学園アリス  29白泉社0.314592194292
きょうは会社休みます。   3集英社0.34088450027
家庭教師ヒットマンREBORN!  42集英社0.294088705521
喰う寝るふたり 住むふたり   1徳間書店0.294199801197
べしゃり暮らし  15集英社0.284088795369
FAIRY TAIL  36講談社0.274063848108
九井諒子作品集 竜のかわいい七つの子エンターブレイン0.274047284084
ハチワンダイバー  28集英社0.274088795326
七つの大罪   1講談社0.264063848027
ハカイジュウ   9秋田書店0.264253204511
草子ブックガイド   2講談社0.264063871924
MAMA   1新潮社0.26410771697X
ULTRAMAN   2小学館クリエイティブ0.264864683212
生徒諸君! 最終章・旅立ち   7講談社0.254063803805
俺物語!!   3集英社0.244088468961
殺風ガールエンターブレイン0.244047288136
ハルタ   2エンターブレイン0.234047288128
3月のライオン   8白泉社0.234592145186

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