週刊コミタン! 2014/08/17号

『Helck』(1)(七尾ナナキ/小学館/裏サンデー)
・魔族と人類の対立という大きいテーマを持ちつつ、コメディ調の1話1話がなかなか読ませる。ジャンルを切るならコメディ。不思議な読み口のあるマンガなので、棚は最近マンガ好き向きではない少年サンデーよりは、裏サンデーという括りのほうがマッチする。

『ヘブンズランナー アキラ』(1)(二階堂ヒカル/小学館/少年サンデー)
・なんかデカい男がフハハハハ！と笑っているだけなのになんでこんなに面白いのか！最近の少年マンガでは少ない1話の中での起承転結がしっかりできていて、読み応えは十分。特異なキャラクターが友達作りのために入った陸上部で巻き起こす青春部活ストーリー！当てつけのように言うけど、このマンガはすごい。
・ほんとに目つき悪い巨漢がフハハハハ！って言ってるだけで面白い。主人公の外見と内面のギャップは西森博之感がある。画面もごちゃついてなく読みやすいのが◎

『ラブ・ボーイ・ラブ』(1)(はらまさき/小学館/裏サンデー)
・『プラナスガール』や『ボクガール』と違い見た目も純粋な男×男にどれだけの読者が手を伸ばすかは未知数。男の娘やTSものではないので真の強者のみ手に取っていくのでは。
・『ボクガール』しかり男に売れる男×男。女性に広がれば伸びるんじゃないかな。【売れ感】△
・地方の書店回ってたら発売前から飾り付けしてた。棚場所はBLゾーン。女性担当者によるものでしたが、女性読者にも伸びる可能性の証左なのでは。

『喧嘩寿司～元祖すし職人 華屋與兵衛～』(1)(山本貴嗣・白川晶/集英社/ぷら＠ほ～む)
・作画の内山まもるの死去で未完となった『元祖江戸前 寿し屋與兵衛』の原作者、白川晶が放つ新たな與兵衛の物語。寿し屋與兵衛は江戸前寿司の発案者、華屋與兵衛の生まれ変わりが現代で活躍するというストーリーだったが、華屋與兵衛が江戸に名を轟かせるまでを描くのかなと。江戸前の仕事や、当時では考えられなかった現代に通じる調理法などは雑学として面白い。與兵衛のネタを女に見立てるシーンは、前作同様なのでファンならばニヤリとしてしまうところだ。前作が週刊大衆での連載だったので、40代前後の年齢の高めのサラリーマン層に売っていきたい。今ならば、小川悦司『すしいち！』との併売が一番よさそう。

・地獄か。

『青の母』(1)(茂木清香/双葉社/月刊アクション)
・画風特有の画面の重さと青の色合いがよく合ってホラー感がしっかり出ている。民間伝承ものという点では22日発売『蜜の島』(小池ノクト/講談社/モーニング・ツー)などに引きつけたい。『pupa』との併売はバチバチにオッケー。20代前半から40代ぐらいまでの男性が狙い。水木しげるとか面白いかも。

『いぶり暮らし』(1)(大島千春/徳間書店/ゼノン)
もう食漫画はお腹いっぱいなので客層的にも程よい距離感で付き合ってるカップルの話しとして売っていきたい。ゼノンの棚的に見るとワカコ酒等と食う寝る～等を繋ぐ良いタイトルだと思う。
・ゼノングルメの新弾。燻製はビールの肴にピッタリなのでサラリーマン層に確実に売っていきたい。【売れ感】○

『こいのことば』(緑のルーペ/太田出版/ぽこぽこ)
・大きいお友達ホイホイのルーペ先生。安心のクオリティ。【売れ感】○

『餅巣菓さんに呼ばれる』(イシデ電/集英社/アオハル)
・イシデ電祭りとして売るのが正解か、アオハルに組み込むか。女性向け、男性向けで売れ行きが変わりそうなので反応が楽しみ。【売れ感】△

『レイチェル・ダイアル』(2)(皿池篤志/集英社/ミラクルジャンプ)
・結構急ぎ足の完結。サイドストーリーとかは入れやすそうなので少しづつでもいいので描いて欲しい。うちでは結構売れてたんだけどなー。【売れ感】△

『昇る朝日に口づけを』(TNSK/集英社/アオハル)
・個人的に好きなTNSK。ストーリーで読みやすい。オシャレな絵柄なのでイラスト系のものと売りたい。【売れ感】△

『なまいきざかり。』(2)(ミユキ蜜蜂/白泉社/花とゆめ)
・結構売れてます。フレンド作品と相性良さそう。生意気な後輩に惹かれてる先輩に萌える。【売れ感】○

『黒伯爵は星を愛でる』(1)(音久無/白泉社)
・集中連載からの本格連載と、最近の花ゆめの黄金パターン。下町の花売りのもとに伯爵が現れて求婚したけど、なにやら血筋がどうこう、種族がどうこう的なおはなし。雰囲気は過去作『花と悪魔』に近いので、学生よりやや上くらいの年齢に訴求できれば。個人的には面白く読めてはいるのだが、多少変わった絵柄になかなか馴染めない。なんつーか、今回から鼻がさ……。

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『コンプレックス・エイジ』(1)(佐久間結衣/講談社/モーニング)
・コスプレという題材ではなく趣味人としていい年になった時その趣味とどう向き合うか、みたいな売り出し方がいい気がする。
・オタクと一般の葛藤をちゃんと描いていて良い。売れるかというと・・・。【売れ感】△
・Twitterでのシェアは非常に多かったが単行本の動きにつながるか。
・アラサー女性が悩む話、とすると自店では女性向けとして常に強い客層なので自然に動かせそう。コスプレものと切るのは適切ではなさそうだけど「コミックバーズ」の『コスクチュール』が面白いのでいずれは併売したい。装丁はちょっと明るいな。

『運命の女の子』(ヤマシタトモコ/講談社/アフタヌーンほか)
・「アフタヌーン」に載った『無敵』は佐世保事件の際に強く思い出した。これ収録されるかな。

『たんさんすいぶ』(1)(上条明峰/講談社/イブニング)
・「モーニング・ツー」ヤマダといい学校生活*音楽ものの次世代がボチボチと。表情苦手な主人公のキャラは表紙のクールなイメージとは異なり結構キャッチー。サックスが人間(美少女)に見える、という設定も面白いと思うんだけどこれまた表紙では棄てられているのであれば勿体無い。

『orenge』(3)(高野苺/双葉社/月刊アクション)
・ファン待望の新作。マーガレット時代のお客さんも買ってくれれば伸びそう。【売れ感】○

『魔女に与える鉄鎚』(1)(檜山大輔・村田真哉/スクウェア・エニックス/ガンガンJOKER)
・今年の流行りの魔女でダークファンタジーな作品。教会による魔女狩りが横行する世界で魔女を狩る異端審問官も魔女狩りの被害者でしたーみたいなスパイラル。
己の死に起因する魔法で闘う少女たちが陰謀とか策略とかに挑む！スクエニ棚ならば、アニメで数字を伸ばしている『アカメが斬る！』や『ユーベルブラット』との併売で20代後半からのコアなユーザに訴求したい。装丁がめっちゃいいので、作品単体でも売れるのでは。作画が同じ檜山大輔の『戦場の魔法使い』との併売は必須。その他、魔法使いものとかと売れたら面白いなーと。
・りゅーと君に同意。【売れ感】○

『月刊少女野崎くん 公式ファンブック』(スクウェア・エニックス)
・確保きつそう。

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『ALDNOAH.ZERO』(1)(ピナケス・Olympus Knights/芳文社/まんがタイムきららフォワード)
・渋い。【売れ感】△

『9時にはおうちに帰りたい』(1)(青色イリコ/講談社/Kiss)
・表紙が意外にPOPな感じになってちょい買いづらくなってしまった感。【売れ感】△
・確かに。パステルカラーは蛍光灯下遠目だとぼやける。

『ReLIFE』(1)(夜宵草/アーススター/comico)
・割りと最初から動いてるが、目的買いと言うよりは店頭での認知のような売れ方。少し大きめに置いて目立たせないと最初は動きが出づらいかも。【売れ感】○

『召喚獣になる！』(1)(石井康之/講談社/マガジンSP)
・意外と初速良い気がする。当日の売上3冊。表紙が良い。【売れ感】○

・高野文子新刊(イースト・プレス)の注文すること。メモ。