だいたい日刊コミタン! 2013/02/22号

今日の気になるタイトル
2月22日
『就職難!!ゾンビ取りガール』(福満しげゆき/講談社/モーニング)
・『生活』(太田出版)にヒロインを据えた作品。『ピコピコ少年』→『ハイスコアガール』の手法か?読みやすいのでエッセイ読者以外にも刺さりそう。

・福満しげゆき最新作という看板はあれどさすがにもう鈍くなりそう。

『べアゲルター』(1)(沙村広明/講談社/ネメシス)
・沙村広明全作品の中で暴力とギャグのバランスがニュートラル。新刊台では『無限の住人』最終巻から上手く乗り継いで欲しい。この連載の存在を知らない人も多いはず。沙村広明は『無限の住人』意外は巻数がないので、だらだら感・ギャグ・暴力のどこを入り口に設定するかはお店の雰囲気が出るポイント。

・代表作の長期連載が終わり、取り敢えずの連載はネメシスになった。『ベアゲルター』はエロあり、グロあり、ギャグありと沙村イズム満載な作品。ミステリ要素もあるので一般の人にも薦めたい。

・「楽園」もあるよ!

『勇者ヴォグ・ランバ』(2)(庄司創/講談社/アフタヌーン)
・1巻は予想以上に動いた印象。短い巻なので3月刊行予定の短編集とともに仕掛け的に販売していきたい。こういう作品がお店の棚に色を付ける。

・こういう硬派なマンガをきちんと張っていきたい。

『草子ブックガイド』(2)(玉川重機/講談社/モーニング・ツー)
・1巻の装丁が良かったので2巻にも期待。棚に入ってしまうと埋もれてしまうので、本をテーマに扱った作品と並売するのが良さそう。

・久々の新刊、1巻発売時と比較して、作品が認知された感があるので、発売のアピールは忘れないようにしたい。他の書店ものや読書系マンガよりもかなり読ませる内容なので、客層はやや高めか。前回は、小学校高学年のお子さんがいる親御さんにアピールしたところ驚異のリアクションの良さだったので、今回も同様の販売でまずは様子見。

『リマスターズ!』(みやざき明日香/講談社/アフタヌーン)、『Eから弾きな。』(1)(佐々木拓丸/講談社/イブニング)
・青春ロックもの2作が同時発売。『リマスターズ!』はギャグ要素が強く、『Eから弾きな。』はライブシーンの臨場感が伝わる画面作り。萌えではない音楽でブームを起こしてほしい。

『アバンチュリエ』(森田崇/講談社/イブニング)
・本誌での連載は終了したが、3月発売の号より小学館クリエイティブ刊「ヒーローズ」への移籍が決まっている。ネットを中心に情報収集している層との親和性が高く、ある程度の初速が期待できる反面、完結して他社へ移籍ということもあり部数面に不安が残る。

だいたい日刊コミタン! 2013/02/20号

今日の気になるタイトル
2月20日
『ぼおるぺん古事記』(3)(こうの史代/平凡社)
・天地ときたら人かと思いきや海。古事記1300年のニュースって「別冊太陽」とか「芸術新潮」あたりの話題なんですね。このタイトルも初速はコミック棚だが、文芸・社会のほうが長く動いた。興味からの導入は時期を選ばず。

※2013/2/20 12:50追記
2月26日に発売延期となっているようです。

『ヴォイニッチホテル』(2)(道満晴明/秋田書店/ヤングチャンピオン烈)・『ニッケルオデオン』(緑)(道満晴明/小学館/IKKI)
・1巻在庫をしばらく見ない。撒きすぎ?返本率の締め付けが厳しくなるにつれ市場回転率は悪くなるんでしょうな。ある程度の果断さで返本して欲しい。

・ヴォイニッチもニッケルも基本的には作家買いのお客さんがメインの購買層だと思うが、可愛い絵柄とファニーな話なので女性客にもアピールしていきたい。連動したフェアなどの売り方はかなり現実的にありそう。
読み切りよりも連載のほうが格段に面白く、キャラクターも立っているので、『ヒカルの碁』世代の20代半ばからの客層にアピールしたい。

『星空のカラス』(モリエサトシ/白泉社/花とゆめ)
・個人的に連載よりも短編マンガ向きの作家だと思っているモリエサトシの囲碁マンガ。白泉社でタイトルに動物ということもあり、『3月のライオン』(羽海野チカ/白泉社/ヤングアニマル)をどうしても連想してしまうところはあるハズ。

だいたい日刊コミタン! 2013/02/19号

今日の気になるタイトル
2月19日
『レイチェル・ダイアル』(1)(皿池篤志/集英社/ミラクルジャンプ)
・「ミラクルジャンプ」期待の星。例のアレをやりました。かなりいい内容だと思います。発売日近いところでいえば『KEYMAN』(わらいなく/徳間書店/COMICリュウ)の層を狙ってみたい。

・ミラクルジャンプ期待の新人。お転婆お嬢様と漫才コンビのようなアンドロイドの掛け合いが面白い。
レトロフューチャーな世界観や、味のあるガジェット、代理戦争時のロストテクノロジーなどなど見所が満載。友人に口コミで広めたくなるような作品。個人的な感想としては「イブニング」の棚前に合いそう。

・読みきりから連載にという「ミラクルジャンプ」お得意のパターンの第1巻。レトロな雰囲気漂うサイエンスフィクションでもあり、すこしふしぎでもあるSF作品。スラップスティックアクションなれど、キャラクターや設定に必然性があり、新人ではあるが長く棚でアピールできるだけのポテンシャルを秘めている。刊行ペースと初版部数がネックになりそうだが、20代後半から30代後半の映像化されたSFを観て育ってきた世代にはなにかしらの訴えかけるものがあるだろう。個人的には『砲神エグザクソン』(園田健一)や、『セラフィック・フェザー』(うたたねひろゆき)中期などのアフタヌーン世代向けかなー?と。

『極黒のブリュンヒルデ』(4)(岡本倫/集英社/ヤングジャンプ)、『君は淫らな僕の女王』(岡本倫・横槍メンゴ/集英社/ミラクルジャンプ)、『クズの本懐』(1)(横槍メンゴ/スクウェア・エニックス/ビッグガンガン)
・関連商品3冊同時発売。配本数は違うだろうが並売はマスト。『君は淫らな~』は思っていたよりかは過激ではない装丁なので買いやすくなっていると思う。折角なのでブリュンヒルデも既刊を揃えてフェア展開したいところ。

・併売必須。萌えっぽい絵柄でセクシー系コメディを描く新人としては異例といっていいほどの活躍っぷりだろう。棚では双葉社刊『はるわか』と並べるのがベストだが、集英社の棚で『源君物語』(稲葉みのり/集英社/ヤングジャンプ)などと並べるのも選択の一つだろう。全部一緒に棚作るのが一番良いのは間違いない。『クズの本懐』は部数が厳しそう。初回と追加で取れないとしばらく切らしそうな匂いがプンプンする。