週刊コミタン! 2017/03/05号

来週の気になるタイトル
[weekly class=month day=1]月[weekly class=day day=1]日
[addLink]『ネオンさん』(1)(村田ひろゆき/講談社/週刊ヤングマガジン)[/addLink]
・(m)配信で聞いて確かに。講談社における「ビッグコミック」感ってこんな感じなのかも。
・(凹)大宮と言うのは失念していた。
[weekly class=month day=2]月[weekly class=day day=2]日
[addLink]『ブタイゼミ』(1)(みかわ絵子/講談社/good!アフタヌーン)[/addLink]
・(m)才能の暴力と誘蛾灯いうことで『響』あたりとどうでしょうか。
・(く)やはり天才には惹かれてしまう。表紙は帯ありきのデザインなんだろうか?
・(凹)装丁がちょっと違うかなという感じ。『響』と併売したいですね。
・(m)これはこれは・・・という装丁。何のマンガなんだ。シュリンクパックだと帯が脱落しないから良いのか?
[weekly class=month day=3]月[weekly class=day day=3]日
・・・
[weekly class=month day=4]月[weekly class=day day=4]日
[addLink]『仁王 〜金色の侍〜』(2)(片山陽介・コーエーテクモゲームス/講談社/別冊少年マガジン)[/addLink]
・(m)ゲームの方が出荷絞り過ぎ(7万5千本)であまりパイは広がってなさそう。流し売り。

[addLink]『醤油を借りにいくだけで死ぬことがある世界の中級サバイバルガイド』(1)(荒井小豆
/KADOKAWA/ドラゴンエイジ)[/addLink]
・(凹)『百万畳ラビリンス』や『外天楼』あたりが好きな人にオススメ。併売も。

[addLink]『バウンダー~最強の少年・項羽~』(1)(大山タクミ/講談社/別冊少年マガジン)[/addLink]
・(凹)『龍帥の翼 史記・留侯世家異伝』でもちょうど項羽が出てきて一緒に読むと面白いですね。

[weekly class=month day=5]月[weekly class=day day=5]日
[addLink]『バイオレンスアクション』(1)(浅井蓮次・沢田新/小学館/やわらかスピリッツ)[/addLink]
・(m)キャラもので顔立ちが魅力的だと思う。装丁がコケてなければ1巻重版はありそう。小学館は表紙の公開が遅いことがたまにある。売り場イメージのために発売前には知りたい。
・(く)顔、もっというと目の描き方が人間じゃなくて蛙とかに近いのでとても目を引く。

[addLink]『終わりのち、アサナギ暮らし。』(1)(森野きこり/マッグガーデン/オルタナピクシブ)[/addLink]
・(m)オルタナでガーデンなアレ。根強い。
・(く)前作に比べて色々とデフォルメされた感がある。蜘蛛がギリギリのラインで気持ち悪くないのはすごい。
・(凹)装丁はファナのほうが売れそうだけどロングのカットや背景の書き込みなどこちらのほうが好み。売れるかな?

[weekly class=month day=6]月[weekly class=day day=6]日
・・・
今週の思うところ
・(m)『氷上のクラウン』2巻が電子書籍で出ててびっくり&がっくりしました。力が足りない。

コミタン!質問箱 第1回回答

漫画雑誌の発行部数が激減している中で、既存の雑誌のアンケートでは把握されない、単行本のみしか購入していない読者のニーズや好みを、書店や出版社はどのように推測して、品揃えや販促活動、連載作品の選定を行っているのか疑問です。特に、処女作や雑誌を渡り歩いて打ち切りを連発する若手の作品が売れ残っているのを見かける度に、買ってでも揃えたい作品と中々、出会えない事に、そして、出会えたとしても二巻すら発売されない事に、憤りと無力感を覚えます。一読者が応援したくても、続巻が電子版のみでは、書店で新人の作品を購入するのを躊躇してしまい、市場はますます縮小して、結果的に誰も得をしないでしょう。書店と取次ぎと出版社の営業部と編集部の連携と意思疎通に首を傾げている状況ですので、書店の立場をお聞かせ下さい。

企画初となるご質問をいただきありがとうございます。私も一読者としては売れたら2巻刊行というやり方には少なからず切なさを感じます。

さて、ご質問のエッセンスである「単行本のみしか購入していない読者のニーズや好みを、書店や出版社はどのように推測して、品揃えや販促活動、連載作品の選定を行っているのか疑問」という部分についてです。
私個人として回答できる部分を「コミック担当書店員は単行本のみしか購入していない読者のニーズや好みをどのように推測しているのか」と切り分けてお答えします。

まず結論をまとめると
(1)目立った売れ行きを示しているタイトルから、読者のニーズを満たしたであろう「作品の持ち味」を推測する
(2)持ち味を絞り込んだ併売などの販売施策を行い、ニーズの存在を確認する
としています。

月に1,000冊弱の単行本が発売されるなか、自店で目立った売れ方をしているいくつかの作品があります。
単純な絶対数で上位に属しているタイトル、またはそのレーベル/ジャンルから刊行中の他作品に比較してよく売れているタイトルです。
それらの作品が満たした読者のニーズが何であるかを考えるということは、すなわち読者が惹かれた「作品の持ち味」を探ることだと考えています。

この持ち味の切り分けには大いに書店員の個性が出るところです。
作品が属するジャンルとして掴んだり、読んだときに得た大まかな感想・感情であったり、絵柄、作品構成の面白さ、土台になっている作者の知識、扱っている時代・・・色々な視点があるでしょう。
できるだけ多様で抽象的かつ解像度の高い視線を持ち、そして売り場で取捨選択することが書店担当者の腕であるように思います。

私が持ち味の読み取りをするときには、
・絵柄
・キャラクター
・ストーリー/事件
・作品背景にある知識量
・作者の文脈
の5点のうちどこかに手を付けます。

弊店でよく売れている『魔法使いの嫁』(ヤマザキコレ/マッグガーデン)を例に取って考えると、この作品の持ち味は「包容力が高い人外の存在との交流」(キャラクター)「女の子が他者との繋がりを回復する」(ストーリー)「ファンタジーモチーフの見事な援用」(知識量)であると捉えています。
月1,000点の新刊の中からこれらのうちいずれかの持ち味に近いものを有する作品があれば、それを『魔法使いの嫁』の近隣におく・言葉で伝えるなどの施策を行いその反応からニーズを確認していきます。
近刊である『とんがり帽子のアトリエ』(白浜鴎/講談社)では「ファンタジーモチーフの見事な援用」を主な共通点として『魔法使いの嫁』と併売し、その結果からすると恐らくこういったニーズがあるのではないか、と考えています。

版元さん、取次さんが持つPOSデータの分析からもこれらの持ち味によるリンケージは得られるだろうと思いますが、「なかったニーズ」や「小さいニーズ」の発見は書店の方が得意とするところでしょう。

…といったことを版元さんや取次さんと書店が密に、具にやり取りしているのかというと、恐らく全体ではそんなことはないだろう、推測されるのが現状です。
書店員の商品知識の低下、連載開始から商品化までのタイムラグへの不安、販売の再現性のなさ、流通上の問題など大いに推測が交じるところですのでここでは控えたいと思います。

一方でコミタン!チームでは数年前から数社の版元さんと新作に関するアンケートを定期的に行い、作品の持ち味やそのアピール方法に関する議論に取り組んでいます。
その結果が作品の形でお手元に届けば良いのですが。

週刊コミタン! 2017/02/26号

来週の気になるタイトル
[weekly class=month day=1]月[weekly class=day day=1]日
・・・
[weekly class=month day=2]月[weekly class=day day=2]日
[addLink]『えびがわ町の妖怪カフェ』(1)(上田信舟/白泉社/ヤングアニマル嵐)[/addLink]
・(m)絵のタッチからほっこり。『ストレーガ』もパワーがあって好きだったけどこういうのもあるのか。子供との疑似家族だが『かわずや』同様男性向けか。

[addLink]『Do race?』(1)(okama/白泉社/ヤングアニマル嵐)[/addLink]
・(く)デザイン周りに関してはやはりセンスがある。

[addLink]『UNTOUCHABLE』(1)(末松正博/小学館/スペリオール)[/addLink]
・(凹)カッコイイおじ(い?)さん漫画。やっぱスペリオール面白いわ。
・(m)尿もれギャグ。売り先がもう一つわからん。

[weekly class=month day=3]月[weekly class=day day=3]日
・・・
[weekly class=month day=4]月[weekly class=day day=4]日
・・・
[weekly class=month day=5]月[weekly class=day day=5]日
[addLink]『ワールドトリガー』(18)(葦原大介/集英社/週刊少年ジャンプ)[/addLink]
・(く)で、出るのか?単行本修正が割りにあるのでそろそろ試運転開始なのだろうか。
[weekly class=month day=6]月[weekly class=day day=6]日
[addLink]『世界まんが塾』(大塚英志/KADOKAWA/ヤングエース)[/addLink]
・(m)あまり見かけることがない「まんが評論」。現在だけでなく経路にもアプローチするなどまんが好きとしては非常に読んでて楽しい一冊になる。1,620円となかなかのお値段なのでコミックの棚で、というよりは評論あたりか。

[addLink]『オーク探偵オーロック』(1)(円居挽・碓井ツカサ/KADOKAWA/ヤングエース)[/addLink]
・(m)オークがかっこよくて、お嬢様とのバディもの。なろう派生枠にはめ込まなくても売れると見た。

今週の思うところ
コミタン!質問箱第1回回答を投稿しました。

コミタン!質問箱の実験

自分の考えの整理と知識の外部化、新しい気づきを求めて新しい試みをはじめました。

コミタン!ブログ部mytが皆様からのコミックに関するご質問に、書店員として考えた範囲内でお答えします。
お寄せいただいたご質問への回答は、原則週に1回ブログ記事上にて行います。
その際、質問者のお名前は記載いたしません。
公開することで大きく公益性を損なうと判断する問題、また私の立場では回答が出来かねる質問、イタズラと思しきものについてはその旨記載またはメールでご返答したいと思います。

コミタン!質問箱