だいたい日刊コミタン!2013/01/18号

今日の気になるタイトル
・(りゅーと)『犬神さんと猫山さん』(1)(くずしろ/一迅社/百合姫)
葛城一名義でも活躍する著者の百合姫レーベルでの初コミックス。男性読者が増えてきたように感じる百合銘柄だが、この作品は比較的、女子ファンが多そう。また、4コマからの延長として一般層も取り込めそうなので、百合というジャンルを超越した幅広い層への売り伸ばしができそう。余談だが、一迅社の1月刊行の雑誌全てにコミケ誌上通販の申し込み用紙が付くようなので、需要のありそうな店舗は要注意。

・(りゅーと)『ファンタジスタ ステラ』(1)(草場道輝/小学館/週刊少年サンデー)
1巻は真の『ファンタジスタ ステラ』にあらず。ただの本田圭祐物語なので要注意。本番は、恐らく2巻途中から収録されるであろう前作主人公の轍平編から。動きが顕著になるのも2巻発売から3巻にかけてだと予想されるので、それまではコミック文庫の『ファンタジスタ』でも仕掛けたほうが良いだろう。創造力豊かな選手たちによる、実現できそうなレベルでのテクニックの応酬は圧巻の一言。様々な軸から芸術的シーンを捉える描写は、サッカー少年のイメージトレーニングに最適!某県の選抜選手だった僕も現役時代はこのマンガでイメトレしました。

・(チャリ)『ファンタジスタ ステラ』(1)(草場道輝/小学館/少年サンデー)
今の所『ファンタジスタ ステラ』というより『週刊本田圭佑物語』と言ってもいいくらい本田圭佑が前面に登場している。実在の選手が漫画に登場する例は『巨人の星』などあるが、ここまでメインに扱う作品は初めてではないだろうか。1巻に収録される内容ではまだ本田中心の話なので、今後坂本轍平とどう絡まっていくかが楽しみ。人気のある選手なので、漫画売り場だけでなく、スポーツ雑誌・関連書コーナーにおいても面白い。

・(myt)『My sweet ウマドンナ馬きゅーん☆』(1)(険持ちよ/小学館/サンデー超)
JRAの皮をかぶった、いわゆる「女の子が喋るだけ」のギャグマンガ。馬要素はまったく無いと言ってよく、作中ではそれすらもネタしておりJRAもなかなか度量が広い。こういう体当たりなギャグマンガ結構好き。
併売は『じょしらく』(ヤス・久米田康治/講談社/別冊少年マガジン)あたりだろうか。スラップスティックからはなんとなく水あさとも彷彿とさせる。ニコニコ動画で視聴数を稼いでいる実況プレイ動画があるので、客層に親和性のある書店では初動もそこそこいいのでは。

・(myt)『竜蹄の門』(1)(やまさき拓味/リイド社/乱ツインズ)
いっぽうこちらはガチで馬。明治初期の馬術。馬の博物館でサイン会だもんなー。自店はリイド社の棚をもっておらず雑誌付きのお客さんもいないが、これは動かせそうな気がする。画力をかって『壬生義士伝』(ながやす巧・浅田次郎/講談社/別冊少年マガジン)あたりを見込みつつ。

だいたい日刊コミタン!2013/01/17号

今日の気になるタイトル
1月17日
・(凹田)『となりの山田さん』(1)(古閑裕一郎/講談社/マガジンSPECIAL)
隣の席の山田さんがメガネを外すと実は美人だった。テンプレで直球だがそれがいい。併売推奨は『みどりの山田君』(1)(森ゆきえ/集英社/マーガレット)(笑)

だいたい日刊コミタン!2013/01/16号

今日の気になるタイトル
1月16日
・(チャリ)『花の名を知らない』(杉山小弥花/秋田書店/プチ・プリンセス)
『明治失業忍法帖』作者の短編集。『明治失業忍法帖』は「月刊プリンセス」に移籍し今月号では表紙を飾っているので新しい読者も増えて売るには丁度良いタイミング。

・(myt)『花の名を知らない』(杉山小弥花/秋田書店/プチ・プリンセス)
同作者の『明治失業忍法帖』が今月号から「プリンセス」に移籍したことがナタリーで記事になった。その記事のTwitterリアクションが60弱あったのが結構意外。多い。やや手薄になりがちな秋田書店少女マンガ棚では営業さんのプッシュを受けて『十十虫は夢を見る』(幹本ヤエ)に併せて結構見かける感じになってきた。
とはいえ「歴史ものではない初期作品を単行本にするほど売れてる?」と思うところはある。これも逆に秋田書店が杉山小弥花へかける期待の現れか。『明治失業忍法帖』や『当世白浪気質』は派手ではないが入念な時代考証を惜しみなく盛り込み、キャラクターたちに時代の移り変わりを仮託するのが巧みなウェルメード。コアなファンがつく作家だと思うのでこの短篇集も自然な流れで横におくのがもっとも良さそうだが、これひょっとしてプリンセスコミックスなんじゃないの?ボニータαじゃないと気づかん書店員は気づかんのでは。

だいたい日刊コミタン!2013/01/15号

今日の気になるタイトル
1月15日
・(myt)『ハクメイとミコチ』(1)(樫木祐人/エンターブレイン/fellows!)
どこから収録するんだろう。どこからでも素晴らしく楽しめるけど。試し読みを作るなら風車修理か料理の話にしたい。(販促物セット見たら違った。)
『乙嫁語り』(森薫)という目玉タイトルも一緒に出るのでここで「fellows!」新作品を固めて再アピールだ。来月には「ハルタ」に誌名変更だけど!配本は希望から少し割れた。
(※書籍扱いからの早出しで様子を見ると殆ど女性のお客様が手にとってくれている。『乙嫁語り』を買わずにこれまっしぐらという人もいて少し驚く。実物大の立体販促物は小人という設定ならではでかなり使いたくなる。追加とらなきゃ。)

・(凹田)『ハクメイとミコチ』(1)(樫木祐人/エンターブレイン/fellows!)
一見、小人ファンタジーだが、世界観の作り込みは詳細でSFとしても見られる。料理や自然描写も丁寧で心地良い。知名度は全然違うが、ジブリ作品などとの親和性が高そう。

・(りゅーと)『坂本ですが?』(1)(佐野菜見/エンターブレイン/fellows!)
『ふうらい姉妹』(長崎ライチ)、『ヒナまつり』(大武政夫)、『秋津』(室井大資)に続くフェローズの悪ふざけ。過去3作との最大の違いは、やや耽美ジャンルとも親和性のある絵柄か。試し読みへの女性の食いつきが異常なほどで、一般層へのアプローチをしていきたい。年内にもう1冊あれば、何らかの形で賞レースに名を連ねるであろう期待作。

・(myt)『坂本ですが?』(1)(佐野菜見/エンターブレイン/fellows!)
↑の4作って担当編集者のかた同じなんじゃ・・・。手元に単行本から奥付見れないけど。
さて先月発売の『ヒナまつり』(大武政夫)にこのタイトルの投げ込みがあった。がっつり数10ページ分読めるやつ。確かにこの層の流入を狙いたい。既刊台ではあいうえお順を無視して『ヒナまつり』4巻からのスライドを意識してもいい。「fellows!」はタイトルどうしを繋げる投げ込みが上手い。これかなりターゲットを絞れた広告になるもんなぁ。小学館はフェア告知の投げ込みに力を入れている印象。
測りづらいが必ず効果があると思うので輪が広がって欲しい。
「その面白さを/適当な顧客に対し/無料の媒体・方法で」というのは今後全てのプレイヤーの課題になるだろう。

・(凹田)『坂本ですが?』(1)(佐野菜見/エンターブレイン/fellows!)
フェローズ直系のシュールギャグ。『どげせん』『創面』『石田とあさくら』などと同系統のギャグだが、絵柄や下ネタの排除などを意識して女性にも手が出しやすくなっている。

・(チャリ)『補助隊モズクス』(1)(高田築/エンターブレイン/fellows!)
『野ばら』の高田築久しぶりの単行本。3匹の「式神」と一緒に、人間を乗っ取る怪物と戦うお話。式神に可愛げがなく、むしろ小憎たらしい所にしょむたんに通じるキャラの面白みがある。今回は結構人が死ぬので扱いには注意。

・(チャリ)『兎の角』(3)(睦月のぞみ/エンターブレイン/fellows!)
残念ながら今回が最終巻。エロ雑誌のころの睦月のぞみ作品は、ギャグを入れたくなる性質なのか直球のエロというよりも、落ちとしてエロ要素が使われているように感じ、エロ漫画雑誌には向いていない気がした。作者の良さを引き出すには、エロコメではなくギャグにちょっとした色気を加えるのが一番引き立つと考えているので、「fellows!」での連載は本当に良かったと思う。